「教育訓練休暇給付金」事業主側の対応は??

10月より「教育訓練休暇給付金」制度が新たに始まります。これは従業員が離職することなく教育訓練を受けるための休暇を取得した際に、休暇期間中、失業給付に相当する給付を受けることができる制度です。
従業員がこの「教育訓練休暇給付金」を利用するには事業主側の対応も必要になります。事業主側がとるべき対応について確認していきましょう。
事業主側の対応
就業規則や労働協約の改定
「教育訓練休暇制度」を就業規則や労働協約等に規定します。「教育訓練休暇給付金」を受給する際には以下のポイントが必要になりますので注意しておきましょう。
- 業務命令によらず自発的に取得する教育訓練であることを明示すること
- 雇用保険被保険者を対象とする旨を明示すること
- 30日以上連続で取得できる休暇である旨(休暇の期間)を明示すること
- 無給の休暇である旨を明示すること
就業規則の規定例等について記載しています。「教育訓練給付金について」詳しくはこちら
ハローワークへの各種書類の提出
事業主側と労働者側との間で教育訓練休暇取得の合意を得たのち、労働者本人から教育訓練休暇取得確認票が提出されます。事業主側は、必要事項を記入し10日以内に休暇開始日の前日までの賃金支払い状況を「賃金月額証明書」に記載してハローワークに提出します。(①教育訓練休暇取得確認票②就業規則の写し③賃金台帳④出勤簿を添付して提出)
賃金月額証明票(本人手続用)」及び「教育訓練休暇給付金支給申請書」の交付
ハローワークから賃金月額証明票(事業主控え、本人手続用)及び教育訓練休暇給付金支給申請書が交付されます。賃金月額証明票(本人手続用)及び教育訓練休暇給付金支給申請書は、一般被保険者である労働者が教育訓練休暇給付金の支給申請を行うために必要になりますので、労働者本人にすみやかに交付してください。
「教育訓練休暇給付金」取得において事業主が注意しておきたいこと…
- 「教育訓練休暇給付金」は労働者が教育訓練に取り組むために自発的に休暇を取る際の生活保障です。事業主が業務命令で取得させる休暇に活用することは認められません。
- 「教育訓練休暇給付金」は有給休暇や育児介護休暇など教育訓練休暇とは別の休暇を取得した日については認定されません。
- 解雇を予定している労働者に「教育訓練休暇」を取得させることは罰則の対象になることがあります。
- 「教育訓練休暇」を取得するには30日以上の連続した無給での休暇を取得する必要があり,週1度の出勤なども認められません。